きみのそういう部分を見せてくれ

そういうやつです、心の細かいやつ

あたしの中の時差

 

 

美しいものしか作れないって、その子は言った。

 

その子の指先とか、骨の中 頭の中 喉の中 耳の穴とかに、もう美意識が詰まりきっている

私はそんな姿に言葉を失って、適当な相槌を打って変な笑顔を浮かべていた

 

なんとも思わなかった と言うことは時間差で自分の感情が明確になる。

私は、昨日向かい側で話をしてくれたその子に対して思ったことを、今日わかった。

24時間の時差。でもこういうことはよくある。

つまり相手が忘れた頃に返事を言うこと。

それは一ヶ月だったり、半年かかることもある 

時差が大きすぎると、相手に伝えないまま終わってしまう。

実際に先輩に対してはもう何も本当のことは言えていない。

 

 

でもあたし、いつになるかはわかんないけどその子には時間差の返事をしようと思う

 

「美意識が詰まったあなたが怖い あたしは、いつだって美しさの裏側に居たいって思ってる人間で、美意識がほとんどないから、あなたが嫌に感じる人間かもしれないよ。

美しいものなんて作ったことがないし、目指したこと、多分なくて。だから、望まない形の人間かも。どうしよう あなたの美意識についていけないかもしれない 

あたし、美意識がかけているくせに、美しくないものが好きだけど、美しいものに対しての憧れは消えないの マレーシアからの飛行機の中で、幸せで美しい家族を見て泣く時間を過ごしたりしてたの。

全然違う派閥 みたいな気持ちなの 派閥とか、暴力的な言葉だけど だからなんていうか、美しさの中にいるあなたの前では下手なことできないって思っちゃう。」

 

歪みきれない自分が嫌い・・・

 

 

自分に呪いをかけたあの日々から、あたしは純度の高い綺麗な人をずっと避けてきた

もうこれ以上、卑屈になっていくのはいやだ

 

でもあたし、その子のこと好きになったんだ。

恋愛感情はいつからかなくなって、多分恋が自殺したあの日から、誰のことも先輩のことも好きにはならなくなったのだけど

だから恋ではないのだけど

好きになった以上は嫌われとしても絶対離れたくない

女の子だって先輩だって先生だってそう

 

ただ、女と先生しか愛せないあたしにとってその子の存在はとても難しい